マツダはプロモーション不足!?(2013年1月8日投稿)

  
  絶賛の新型アテンザのバックオーダーが約5000台、一方デザイン変更がかなり物議を醸している新型クラウンのバックオーダーは約15000台。元々のブランド価値から考えればアテンザ↗でクラウン↘な気がします。


  トヨタにしてみたら、代わりにレクサスが売り込んでいるわけだからこれでいいのかもしれない。そしてクラウンユーザーがマツダのアテンザやスズキのキザシに乗り変えることはないでしょうし・・・。マツダのディーラーの人も言っていましたが、新型アテンザの試乗に来るのはBMWやジャガー、audiといった輸入車ユーザーばかりだとか。新型の国産車が輸入車からシェアを取り返しているのは素晴らしいことです。


  逆にクラウンユーザーはちゃんとレクサスへ行ってるのか?ちょっと気になります。レクサスより割安感がある輸入プレミアムモデルも増えているので、レクサスへ完全移行とはいかないと思われます。「クラウン⇒輸入プレミアム」と「輸入プレミアム→アテンザ」で輸入車↗ってことになりそう・・・。でもまあ実際はそんな単純な話ではなく、「新型アテンザはちょっと大きいから、次はメルセデスの新型Aクラスにしよう」とか「BMW3に乗ってるけど、新型クラウンのデザインのほうが個性的でいいかも」といった逆の動きもあるのかも。


  新型アテンザは新機能をたくさん盛り込んでしまったせいか、「2013年版 間違えだらけのクルマ選び」でその機能の説明がずらずら書かれていて、このクルマ本来の価値である「走り」がやや文脈に埋もれてしまっています。コスパは抜群で「ちょっと高い」って評価はおかしいくらいなんですが、そのバリュー価値がまだまだ正しく伝わっていないような気がする・・・。


  もしかしたら150万円のVWのup!のほうが充実の安全装備が付いていると思っている人もいるのでは!?せっかく標準装備した「横滑り防止」と「サイドエアバッグ」をVWの小型車up!も同様に備えていて同時期の発売というのはちょっとタイミングが良くなかったかも。各国のNCAPの結果を見ればマツダの安全性の優位は歴然ではあるのですが・・・。


  さらにトヨタの2.5Lの6気筒でFRのマークXより価格が高くなってしまったのもキツいですね。もっともマークXはG'sのエアロパーツop(80万くらい)が魅力でこれ付けた状態がノーマルのアテンザだと考えれば、アテンザのほうがお買い得かもしれないですけど。


  新型アテンザはその目を引くデザインが頼みの綱ではあるのかなー。総合的なプロモーションでは、予想外なライバル(VWのup!)やマークXなどをバリューで全て上回るということを、ユーザーにハッキリ判らせる必要があるかもしれないですねー。UP!にマークX。相手はどちらも年間800万台以上作る巨大メーカーですから、プロモーションに関してはとても巧みです。


  up!の露出はかなり手強いですねー。自動車評論家を徹底的に味方につけている。トヨタには国内最強の販売網があり、そのディーラーが一斉に「マークXの方がお買い得」とユーザーに囁きかけてきます。カッコイイ&ディーゼルでもそれなりに売れると思いますが、せっかくの「歴史的名車」(by山内MAZDA社長)なのだからCMやパンフレット(豪華だけど訴求性が・・・)を含めもっとプロモーションをどうにか出来るのでは?と思ってとてももどかしい気分です。


(2018年10月16日加筆修正)