トヨタ86 と マツダアクセラ の違い

 

河口まなぶ氏がMAZDAエージェンシーに!?

MAZDAの2019年は、待望の「MAZDA3」発売が最大のイベント。どーやら日本の有力ジャーナリストを抱き込んでのいわゆる「ステマ」もすでに発動しているみたいで、河口まなぶ氏がわざわざ日本メーカー車を海外まで乗りに行ってインプレしておられました。カムリ、アコード、シビック、スカイライン(3Lターボ版)など米国ですでに発売されているモデルでも日本のジャーナリストがレポートすることはほとんど無いってのに、なんでMAZDA3だけ!?そーいえば日本COTYもCX-8に10点入れてたな・・・。

 

 

ちょっとビックリの変わり身

河口レポの中身がこれまた非常にステマ臭くて・・・「完全にゴルフを超えた!!」だってさ。英国メディアの評価では先代(現行)アクセラがすでにゴルフに競り勝ちつつあったけども、今回はもう「完全」にマツダの勝ちなんだってさ。ちょっと前に大絶賛していて「クラスの壁を超えた!!」とかべた褒めの新型メルセデスAクラスと比べても完勝!!圧勝!!とか仰ってますけど、とりあえず相手はかなりの旧式の三菱シャシーだから負けるはずはないかなー。それにしてもこの変わり様はなんだ!?契約が切れたのか!?

 

 

そりゃ世界最高だろうけどさ・・・

FFの横置きというMAZDA3(アクセラ)の速ずるカテゴリーに関しては、日本メーカーが本気出せば順当に世界の最高水準に達することはできるだろう。何のことはないゴルフ、メルセデスAクラス、ミニ、ジュリエッタ、メガーヌ、ルーテシアといった欧州メーカー車は、シャシーの基本設計だったり技術的なアイディアだったりがほぼ全てバブル期の日本車の流用と言って差し支えない内容だから。とにかく日本メーカーの系列サプライヤーのサポートがなければ欧州メーカーはもはや何もできない状態だ。

 

 

「勝つ」は当然・「変える」に期待

「Cセグは世界の激戦区」とかほざいて、各メーカーの技術がどーだとか語ってる評論家は・・・はっきり言って半分はヤラセだ。メーカーから金もらってるに過ぎない。だから本当のことは書かないし、書いたやつは干される(福野礼一郎さんのように)・・・しかし、そんな言論封鎖のクソなカーメディア(小沢も福野も認めている)に影響を受けちゃっているのか、いい歳したオッサンがAクラス、ジュリエッタ=三菱、MINI=ホンダ、ミト=スズキってことすら知らないで、私のブログに反論コメントとか平気で寄こすから唖然とさせられる。(繰り返すけどバカはコメントしないでー!!)

 

 

最強のCセグブランド誕生!?

MAZDAはFFの横置きで勝算は十分らしい。やや強力なライバルはホンダとスズキだけども、ピープルムーバー主体でシャシーを作るホンダや、インド市場にスライドさせるコストレベルのスズキに負けるわけにはいかない。しかし今回のMAZDAはどーやら中国市場のメインストリームにこのモデルを送り込む決意をしたようだ。VWゴルフのノックダウン版と日産シルフィが覇権を賭けて戦っている130万円前後のCセグ市場にも突入できる設計だと思われる。

 

 

トーションビームの深い意味

ベストカーが熱心に報じている「トーションビーム採用」の真相は、「EV化を見据えて」とかいう態の良いものではなく、すでに中国市場に大挙して参入しているVW、ルノー日産、PSAのノウハウを真似ているのだと思う。トーションビームを使う下級シャシーでグローバル120万台を目指すということは、中国で半分以上を売る計算なのだろう。現在のマツダの中国販売は30万台程度。

 

 

天災さえ起きなければ・・・

アクセラのグローバル生産はモデル末期で前年実績から2桁下がっていてもなお40万台近くの数字を維持している。メキシコ工場稼働で勢いづくデミオは20万台近くまで伸ばしてきた。これに欧州戦略モデルのCX-3の10万台を加えて約70万台。これを120万台までわずか1世代だけで伸ばすと「公約」している。さらに世界最速で40万台突破を果たしたCX-5(テスラモデル3に抜かれる可能性もあるけど)と、10万台を維持するアテンザ他に大型SUV群を合わせても60万台足らずの上級シャシーも1世代で80万台まで伸ばす計画。

 

 

2シャシーどちらも倍増計画!?

「二兎追うものは一兎も得ず」とかいう言葉がどっかから聞こえてくる。あのテスラも「モデル3」の生産に集中して、徹底した余剰人員のリストラを行ったとか・・・。トヨタもクラウンとカローラの同時発表が少々ピンボケ気味。ただでさえ売れないノーマル乗用車を一挙に二台投入したことで、西川某から「クラウンよりカローラの方がまし」とかナメたコメントを浴びせられていたっけなー。

 

 

2019年の3台

「スープラ」「3シリーズ」「MAZDA3」のトヨタ連合による「松・竹・梅」=「700・500・300」は日本市場でどう炸裂するだろうか。盛り上がるのか、それとも共倒れなのか・・・。長らく続いたベンツがベンツじゃない、ポルシェがポルシェじゃない時代にトヨタが立ち上がる・・・世も末か。偽物高級ブランドのクルマに対する感動を伴わない空虚なレビュー。そりゃカーメディアも次々と潰れるよなー。絶望的な現実から目をそらし、クルマが売れないのは「若者が変わったから」と安易に結論づけるバカにはもう本当にウンザリなんだよ。

 

 

時間は巻き戻せないけど、夢は語れる

まともなクルマ好きなら、CLAとかマカンとかレンジローバーイヴォークといった完全なる「技術OEM」な「モジュラー型量産車」に無駄なお金を払いたいとは思わない。バブルの頃にクルマが売れたのは、リアル・メルセデスやリアル・ポルシェを求める大人がいて、若者が将来に夢を抱ける社会であり、お金がない若者でも手が届く範囲で、日本メーカーが情熱を捧げてクルマを作ってたからじゃねーの!?

 

 

MAZDAの完敗

しかし今では目の前にはCLAやマカンで喜ぶ「みっともない」大人だったり、それを選んで乗りたいと思う要素が全く見当たらない平凡な乗用車しかないラインナップ・・・。それでもトヨタ86はそんな状況を少なからず変えたのでは?と思う。それに続いたダイハツコペンとホンダS660はその努力をご破算にする失態を晒してしまったのはともかく、この頃に発売された先代(現行)アクセラのその後の経過には、おそらくMAZDAの首脳部はかなりの「悔い」があったんじゃないだろうか。

 

 

大恥を濯げ!!

86発売の翌年というタイミングであり、発表当初から世界中で悪戦苦闘している若者に乗ってもらいたい!!と高らかに宣言していた経緯もあった。この閉塞しきった日本市場を打破して若者のクルマの代名詞になるべき願いが少なからず込められていたはず。クルマの実力は十分だったし、単独世代モデルでコンスタントに毎年40万台売れたのだからシビックと並んでCセグの頂点ではあったのは間違いない。だけど日本市場に関しては「販売」も「文化的意味合い」もあまりポジティブな反応はなかった。

 

 

世界最強ゆえに犯した失態

スバルにも言えることだけども、マツダは日本市場ではそれほど利益を上げることができない。トヨタや日産はほぼ日本市場一本被りで利益を出しているのとは対照的で、結局のところマツダはアクセラをそれほどたくさん日本で売りたいとは思っていなかったようだ。マツダ自身は中国地方の産業を支える!!というCSRを掲げていて、弱小メーカーという立場を強調しているけども、現実にはアクセラは紛れもなく「世界最強」のコンテンツだ。ゴルフのように中国で130万円で売っているノックダウンモデルが数字の主体といった詐欺モデルではない。

 

 

アクセラへのブーイング

「どーせ売れるから」という自信を押し隠しつつ、日本向けに2013年に発売されたラインナップには、クルマ好きならこれ一択ですよ!!と言わんばかりの2.2Lディーゼル搭載モデルがLパケ限定で君臨していた。マツダが世界に広く宣伝した「理想」を少なからず日本市場にも適用して、日本の若者に本気で売る気ならば、2Lガソリンをハッチバック(途中で廃止)だけでなくセダンにも設定し、北米で売っている2.5Lモデルをも投入すべきだったのでは!?

 

 

全ては失敗から始まる

「儲からなくてもいい、86がトヨタと若者の最初の接点になってくれればそれでいい」という理屈を押し通したトヨタ86に対して、「どーせグローバルで売れるから日本で台数を稼ぐ必要はない」というマインドから踏み出せないマツダ・アクセラには、どちらにも「単価を上げたい」という結論こそあっただろうけども、全く別の印象を市場に与えた。まあこの頃のマツダは円高に苦しみ倒産を覚悟し、予想外に売れたCX-5やディーゼル車への対応を含め社内はとても「文化」など語る余裕はなかっただろうが・・・。

 

 

誇りゆえの敗北

トヨタが本気だとか、マツダが偽善だとかの話ではなく、やはり時代を変えるクルマを作るには、メーカーの掲げる命題とその深度が重要なのだと思う。販売台数ではなく文化的な面で、アクセラは86に完敗した。モデル末期まで40万台を売り続けながらも「負け」を認めたMAZDAだからこそ、その屈辱と汚名をそそぐべく「新型MAZDA3」にたどり着くことができた・・・そう考えるのが自然だ。

 

 

愛すべきMAZDAのストーリー

MAZDAにはモリゾウとかいう「エンスー貴族」はいないかもしれないし、2兆円なんて途方も無い利益の20分の1の目標すら未達で社長は悔恨の言葉を残した。それでも50年間専用設計スポーツカーを作り続けてきた「世界でただ一つの乗用車メーカー」(ポルシェとジャガーは最初はスポーツカーブランドだったからさ)というプライドを持ってクルマを作ることで、86やスープラに対して堂々と「文化」で打ち勝つこともできるだろう。

 

 

増税前に集結した精鋭・・・

もはや誰も否定しなくなったドイツメーカーの低迷・迷走・不協和音にショックを受け、フランスメーカー車を買い始める相変わらずバブルな空気感でたくましく生きているオッサン・オバさんはともかく、自動車業界の輝きは色褪せつつあり、クルマの付加価値に対して市場は非常に懐疑的だ。日本市場で最も売れている「セダン=クラウン」「3列シートSUV=CX-8」「輸入車=MINI」を持つ「トヨタ連合」が仕掛ける2019年作戦は日本市場をどのように包み込むのか!?

 

 

「河口まなぶ 『進化がすごい・欧州車みたい!!』・・・お前はバカか!?」

 

 

 

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コメント: 10
  • #1

    ano (水曜日, 30 1月 2019 18:21)

    TBAなのはMBDでやりやすいからで
    真似というか合理的だからでしょ
    検討を重ねて他社と同じ帰結に至った
    それだけのことでは 勘繰り過ぎ

  • #2

    CARDRIVEGOGO (水曜日, 30 1月 2019 18:46)

    ご意見ありがたいが、
    別に勘ぐっているわけでも、
    批判しているわけでもないです。
    おそらく同クラスのTNGAよりいいクルマでしょうから。

  • #3

    通りすがり (水曜日, 30 1月 2019 21:27)

    確かに仰る通り、アクセラは初期の販売戦略でミスりましたよね。(2.2XDの売り方で)
    で、その後埋め合わせみたいに「1.5XD」を出しましたけど、
    これはぶっちゃけアクセラに載せる前提ではなかったエンジンですよね。自分は2.2XDも1.5XDも所有していたから断言できますが、1.5XDは実用的には十分だけれど、2.2XDの様なスペシャルな魅力はありません、何というか分かりやすく例えると「ディーゼルのプリウス」みたいな。載せる車体がBセグのデミオなら良いのですが、アクセラに載せると「刺激」はありません。
    それで、話は新型MAZDA3に戻りますが予想ラインアップで2.2XD消されていますよね、1.8XDだけで。んで、この1.8XDも、1.5XDをパワーアップしたものでも2.2XDをダウンサイジングしたものでもない1.5XDを実燃費向上目的で排気量のみ増やしたエコエンジンですよね。
    それで消された2.2XDの位置には何が来るのかといえば、Skyactiv-Xのスーパチャージャとかいうまたバカ高そうなグレードじゃないですか。何か先代のアクセラでやったミスをまた今回も繰り返しそうな不安があるんですが。
    色々小細工しないで、北米仕様の2.5Gを出すとか、2.2XDを残すとかすればいいのにと思いますよ。

  • #4

    CARDRIVEGOGO (水曜日, 30 1月 2019 23:20)

    2.2Dの豪快な推進力を体感した後で1.5Dは何の感動もなかったですね。プリウスで人気の上級モデルが320万円なので価格設定自体は難しくはなさそうだし、2.0Gの北米モデルが2万ドルなのだから、あとはMAZDAの「志」でどーにでもなりそうな感じではあります。グレードが増えて選ぶのは大変そうですが。2世代連続でしくじったりはしないでしょうし・・・。

  • #5

    通りすがり (木曜日, 31 1月 2019 00:27)

    本来、XDに関してはBセグ用の1.5とDセグ用の2.2の間に、もう一種類あっても良かった気がします。現行の1.8XDの中身は実質1.5だし。
    もしくは、「ガソリンとディーゼルの良いとこ取り」と巷で評価の高い2.5ℓのガソリンターボ、これの1.5ℓ版を出していればもっとインパクトがあったのではないか?と。
    Skyactiv-Xに関しては、新型発売直前のここに至ってもまだ何の情報も出てこない「謎」のエンジンですが、2.2XDの後釜に据えるくらいだから、相当自身があるのでしょう。
    ただ、「外気温の変化に弱い為、エンジンをカプセルで包んでいる」とかいう情報を聞くと、初期型を買うのは避けた方が賢明なのか?とも思ってしまいます。

  • #6

    ano (木曜日, 31 1月 2019 03:56)

    SKYACTIV-Xは最終調整中という話。今年中には出したいという願望は以前からあるが納期ありきではない。煮詰め切れなければ延期する可能性がある。だから現段階では明確に言えないのだろう。
    カプセル化は次世代のエンジンにつながる要項。第3世代では断熱性を極めるのが目標だから。コストはDより抑えられると聞いている。現行の最上位と同程度か少し高いくらいでは。

  • #7

    CARDRIVEGOGO (木曜日, 31 1月 2019 18:59)

    エンジンのバリエーションが多く、いろいろな人の関心が呼べているよーですね。たとえXでも不具合をできる限り出さないのが日本メーカーらしいクルマ作りでしょうし、MAZDAはそれをどこよりも強く意識しているメーカーだと信じています。エンジンだけでなく、ミッションやレザー/バケットなどシートの選択肢を増やして、物好きな人が2〜3台買っちゃうようなクルマに仕上がっていたらいいかなーと思います。

  • #8

    A10 (金曜日, 01 2月 2019 15:08)

    Bが本田の技術が欲しくてローバーを、Mは三菱の技術が欲しくて…

    まではわかったものの、スズキんとこがわかんないす。
    スズキっていえば、あっぷあっぷしてるアルトのちょっとでかい版みたいなん売ってるあそこが思いつきますが…

  • #9

    CARDRIVEGOGO (土曜日, 02 2月 2019 20:03)

    アルファロメオは、A/BセグはGM(スズキ)との共同開発シャシーで、Cセグはクライスラー経由の三菱シャシーを使ってますね。

  • #10

    通りすがり (月曜日, 04 2月 2019 23:42)

    新型MAZDA3の試乗会が北米で開かれ、試乗レビューがちらほら出始めましたね。
    新型車に対するご祝儀レビューが多い中、元モータージャーナル主宰の池田直渡さんのレビューが一読の価値あると思いました。CARDRIVEGOGOさんがご興味ありそうなサスペンション変更の件についても書かれていました。